鮫島コラム

東京都中小企業診断士協会国際部主催「国際交流会」でファシリテーターを務めました。

2月22日(土)に開かれた「国際交流会」のディスカッションでファシリテーターを務めました。

これは東京都中小企業診断士協会に加盟している中小企業診断士が対象のイベントで、毎年テーマを変えて行われています。今回は城北支部国際部が主管で企画・運営し、私は城西支部国際部から1名運営のお手伝いをするために参加いたしました。場所は銀座にある中小企業会館です。

今回は、各支部の国際部のネットワークで日本在住の高度外国人材をお招きして、中小企業診断士とグループディスカッションを行うというプログラムでした。私は、このディスカッションで進行役を務めたわけです。

 <プログラム> 
 1 開会の挨拶 (14:00開始)
 2 基調講演
 3 ゲスト(高度外国人材)自己紹介
 4 グループディスカッション1部、2部
 5 ディスカッションの内容発表
 6 閉会の挨拶 (17:00終了)

<ディスカッションテーマ> 
 1 いかにすれば中小企業に高度外国人材が来てもらえるか、定着してもらえるか 
 2 中小企業がどのように高度外国人材と共に事業発展できるか

九つのグループに分かれ、1グループに診断士数名とゲスト1名が振り分けられます。私はHグループを担当いたしました。ゲストはセルビアご出身で来日25年になるSさん。柔らかな物腰と明るい笑顔がとても印象的な女性でした。日本の文学に興味があり、来日。T大学の大学院で比較文化を専攻されたとのこと。素晴らしい日本語をお話しになり、日本語でエッセイを書くことが趣味だそうです。現在は「カイゼン」のコンサルティングを行う会社にお勤めです。

彼女から日本の蚊取り線香の原料である除虫菊は、もともとはセルビアから日本に輸入されたものだとのエピソードを紹介され、セルビアと日本とは深いつながりがあることを学びました。

また、彼女には我々日本人が気づいていない日本の良いところをたくさん教えていただきました。日本は「失われた30年」のためイノベーションを起せていない社会だと言われているが、決してそのようなことはない。例えば、I社のキャットフードは世界中の猫が喜ぶ、とてもイノベイティブな商品だとおっしゃっていました。また、日本人は外から入ってきたものを受入れ、それを良くすることができる、とても柔軟なのだというのも嬉しい言葉でした。

一方、ヨーロッパはキリスト教と神様が唯一絶対の価値基準であるとともに、歴史と伝統へのこだわりが強くルールが変えられないのだとも。

もうすぐ人生の半分以上を日本で過ごしたことになるという彼女の言葉には説得力があるとともに、診断士の皆さんも積極的に発言して、グループディスカッションは第1部も第2部も大いに盛り上がりました。おかげでファシリテーターとしては楽をさせていただきました。

そしてキーワードは「異文化理解」と「外国人材の強みを発揮させる」ということでまとまりました。まず、お互いに違いがあることを認め、それを受け入れる。その上で、外国人材の強みをうまく活かした仕事を自由にやっていただくことが大事なのだという結論に至りました。

日本と日本文化が好きで、多くの国からせっかく日本を選んで来て下さっている外国の方たちが、将来のキャリアのイメージが描けず、多くの場合、別の国で仕事をすることを選択せざるを得ない現状はとても残念です。相互理上に上に彼らが活躍できる場を提供し、それが日本の中小企業の発展にもつながるのであれば、素晴らしいウィンウィン関係が築けると思います。

この国際交流会は、私にとって学びの多い、とても印象深いものになりました。このような機会を与えていただき感謝しています。ありがとうございました。