鮫島コラム

経営者が本当に求めているのは“すぐ動ける具体策”

少し前の失敗談を共有させていただきます。

私のWEBサイトを通じて、ある事業者様からご相談をいただきました。
「これまで社内で取り組んだことのないタスクについて、1年かけて体制を整え、考え方を定着させ、実行に移したい」という課題です。

その事業者様は多くのWEBサイトを調べ、生成AIを活用してコンサルタント候補を絞り込んでいらっしゃいました。幸いにも私は最終候補の2社に残り、もう1社はコンサルティングファームでした。

私は、最初のオンラインミーティングで概要を把握し、2回目にはオフィスを訪問して現場も拝見しました。そこで良い感触を得た私は、提案書作成に全力を注ぎました。中小企業診断士としての知識やスキル、前職でのマネジメント経験を総動員し、経営視点からの解決策を盛り込んだのです。

自信を持って臨んだプレゼンでしたが、結果は不採用。
理由はシンプルでした。

「経営レベルのご提案をいただきありがたい。ただ、我々は目の前にある実務レベルのタスクに着実に取り組みたかった。」

私はこの言葉にハッとしました。
経営者にとって必要なのは「大きな構想」よりも、「明日から一歩を踏み出せる具体的な実務策」であることを、私は見落としていたのです。

経営者の皆様にとって、コンサルタントの知識や経験はもちろん価値あるものですが、それ以上に「自社の現場を動かす力」「実際に手を付けられる道筋」の方が優先される場面は多いのではないでしょうか。

今回の経験を通じて、私は「まずクライアントが今まさに実現したいことにまっすぐ応える」ことの大切さを改めて学びました。
この気づきを胸に、今後も経営者の皆様にとって本当に役立つ支援をお届けできるよう成長していきたいと思います。